僕の積読は少しだけ重たい
かなり前にたまたま見た「深いい話」
そこで芥川賞をW受賞したスクラップ・アンド・ビルドの作者である羽田圭介さんが
「又吉じゃないほう」作家として紹介されていた。
編集の妙もあるだろうが、歯に衣着せぬ物言いは聞いていてとても気持ちよく、私生活の姿には自身の感覚をとても大切にされている方だな、と感じた。
酔っ払いながら「読解力がね~なー!!」っと言い放つ姿は特によかったよね。
事務所がいたらカットなシーンかもしれない。
ちなみに今回「又吉じゃないほう」作家として紹介されていたように
今回の芥川賞の主演は又吉で、羽田さんは助演だったはず。
常人であれば今回のW受賞で又吉に話題を攫われ、
そのまま消えていくだろうに自身の作品のタイトルを印字したTシャツを着て堂々と話す姿は、食われそうになる所を逆に又吉を食ってやろう!
という気概すら感じ、実に痛快であった。
最近ではGoogleだか窓だかのCMに出ていて俳優面していた。元気そうで何よりである。
で、ここまで書いていて何ですが、
今回の芥川賞作品はたぶん今後も読まないんだろうなと思う。
何故なら「作者を知ってしまったから。」
いやーなんていうんですかね、
別に賞を取ったから読みたくないっていうわけじゃなくて。
先入観を嫌うのですよ。
なんか作品を読む前に作家の情報が入ると読む気が失せません?
(自伝的なものを除く)
商業的な思惑に乗りたくないっていうのも当然あるんですけど、
作品を読む前に作者を知ると、どうしても作品に先入観が入っちゃうじゃないですか。
やっぱり出来るだけ作品の世界観を、真正面から先入観なしで読みたいじゃないですか。
たとえばホラ、少し昔のお話で同じく芥川賞だったと思いますが、綿矢りさサンという方が居まして。
容姿端麗で年も若いというのもあり、
それはもう大々的に美人作家!!と売り出されていたワケです。
当時凄い話題だったんですが、それも結局読まず仕舞い。
この人美人さんだなー、かわいいなー、どんな文章書くんだろう?読みたいなー!
ってなりますか?
僕は残念ながらならないんですよね。
カゲロウとかもね。
あれはね、もう、別格ですけど。
あんなコテコテの演出あります?
先入観なしで作品を評価するなんて無理でしょう。読むことを放棄しますよ。
だから、この人の小説面白いな、どういう人なんだろう?
と作品から作者に興味を持つことはよくありますがその逆は、まったくないのです。
というわけで僕にとって先入観を擁してやってくる読み物は、敵な訳ですよ。
敵な訳なんですが....少し前に厄介なことがありまして。
僕がまだ10代の頃から、かれこれもう10年位ですか。
読み続けてきたとあるブログがあるんですよ。日常系ブログ。
10年も続けて見てるサイトなんて、そうそう無いですよ。
彼の独特の語り口、ウィットに富んだ話題、物事に対する目線が好きで。
気付けば10年ブックマークのいい位置キープしてるんです。
10年読み続けるっていうともうね、いくつその方の記事を読んだのか、正確な数はもうわかりゃしない。相当な数を読んでます。
直接の付き合いはないものの、一方的にいろいろ知ってしまっているわけです。
好きなゲームや漫画、
音楽、スポーツ、
好きな髪型、好きなかばんの掛け方等、
あらゆる趣味趣向を。
はたまた〈だいじな画像〉の管理方法まで。
ちょっと色々知りすぎちゃってるわけです。
そんな、そんな方がね、
〈商業作家デビュー〉しちゃったんですよ!!
敵襲(先入観)だーーーー!!!!!!!!!
もうね、ものすごい困った。
上に書いたように先入観嫌いです。でも好きな作者です。
もうどうすればいいのかわからない。
一人の読書好きとして作品を味わいたいけど先入観が…という気持ちと、
10年間見てきたリスナーとして彼を応援したい気持ちが僕の中で鬩ぎあっている状態。
でも、やっぱり気になっちゃうじゃないですか。
10年間ね、僕を毎日楽しませてくれた訳ですから。買わない訳にはいきますまい。
そんな複雑な気持ちを抱えながら、処女作の発売日を迎えて。
オープンと同時くらいに蔦屋さんに行ったらまだ店頭に出て無くて。
店員さんに奥から持ってきてもらってきたりして。
お布施という事で何冊も買いましたよ。
僅かな協力ですが、作家さんは増刷されてこそなんぼでしょう!
そして何冊も購入した本を友達に
「言っておくけど感想は要らないし!
寧ろ読まなくてもいいくらい!
何もいわずに受け取って!本棚にしまっておいて!」
というような事を言いながら配る。
何故かというと、感想聞くのが怖いからね!
逃げましたよ。
さきほど作品と真正面から(キリッ)と偉そうに言ってましたが、
もう向き合う所か、作者側に立ってしまうのよね。
興味本位でネットのレビューとか見て、「忌憚のない意見」を見かけると
自分の事のように心が痛むもんね。
や、やめてくれー!作者いじめないでくれ…!!
まだ慣れてないだけ、まだこの世界に慣れてないだけだから…!
こ、これからだから…!
そ、そんな言葉で批評しないでー!って。
…しかしだからと言って、知ってる作者だからって
手放しに褒め称えたりもしたくないんですよね。
悪いものは悪い。良いものは良い。
好きなものは好きといえる気持ち。抱きしめていたいじゃないですかどんなときも。
その結果、僕がひねくりあげて出した答えがこれです。
_人人人人_
> 積読 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄
読むことから逃げるんだ俺は!
以上2巻以降がなかなか進まない。長い積読のいいわけでした。